「74Daijiroメンテナンス講座」
第5回は、
クラッチとクラッチスプリングのトラブルについてアドバイスいたします。
「ハーフエンジンになるとクラッチスプリングが折れる気が?」にお答えします。
①クラッチシューの点検
・ハーフエンジンのクラッチベースプレートの取り付け部は、テーパー形状になっている為、アッセンブリー交換には専用工具(プーラー)
を使用します。その為クラッチAssy交換より、シュー単体の交換が効率的です。
今までSTDエンジンではクラッチAssyでの交換をお勧めしていましたが、シュー交換だけになると、
自動的に交換していたクラッチ取付けボルトが再使用されることが増えてくる傾向にあります。
・クラッチシューは使用時間が伸びると、ライニング(クラッチドラムとの接地面)だけではなく、クラッチシューが動くときに支点となる、
取付ボルトや、クラッチシューの取付穴も、摩耗していきます。
②クラッチシューのメンテナンス
・クラッチシューはエンジンが回転することで遠心力が働き、スプリングが伸びる方向に動きます。新品では図にある横ガタは発生しません。
使用時間が伸びることで、前述した取付け部が摩耗することで、横ガタが増えていきます。横ガタの発生と共に、
スプリングの折損が増えていくようです。
・トラブルの発生を減らしていくためには、シューの交換と共に取付ボルトも交換するのが良いでしょう。
日頃のメンテナンスとしては、クラッチ取付ボルトのグリスアップも効果的です。シューを取り外し洗浄後、
ボルトと取付穴をグリスアップ(モリブデングリス等の耐摩耗効果のあるものが良いでしょう)してから組みつけてください。
(推奨締め付けトルクは12Nm、1.2kgf・m)
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